餃子の皮生地をつくる(FFM Days #502)

表題がどんどんドイツから遠ざかる様。笑

先般購入した小麦粉をつかって、わたしにとっておふくろの味のひとつでもある揚げ餃子を自作してみた。

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Type 1050 と Type 405の合わせ小麦粉

まずはボウルにグルテン含有量の異なる二種類の小麦粉を投入。

Type #によってグルテン量がおおよそ判別できる。

ここに、挽いた塩を少々追加する。

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お湯を投入しつつ、小麦粉を混ぜる工程

次いで、沸騰した水で小麦粉を攪拌・混合していく。

これは後日談だけれども、水は所定の量を一気に入れるのではなく徐々に入れることで、生地がべたつくことを防ぐことができる。

わたしは、最初にレシピにあるお湯量をすべて入れたものだから、生地がべちゃべちゃになってしまった。

結果、手ごねするなかで少しずつ水分を手に吸わせて取り除くという、地獄の工程。

レシピには生地をこねる時間は5分強とあったが、わたしの処女作は40分以上かかった。笑

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こね終えた生地の素

なんとか丸めた形に形成し終えた生地。

ここまでたどり着くのに、とんでもない労力を使ってしまった。

先述の通り、小麦粉を混ぜながら少しずつお湯を継ぎ足すことで、圧倒的にスムーズに事を終えることができるようになった。

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小分けにして丸めた生地。30分ほど寝かせる。

おおよそで、餃子の皮一枚分だろうと思う量に分けた。

ボウルやほかの生地塊にくっつかないよう、片栗粉をかるくまぶしておく。

それから30分ほど寝かせることで、生地を馴染ませておく。

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餃子のタネ。母直伝のカレー風味のタネ。

用意しておいたタネは、豚ミンチにゆでたまごと炒めた玉ねぎを合わせ、カレー風味になるようスパイスで味付けしたもの。

母は、完成品のカレーパウダーなどを使っていたが、あいにくとドイツでそんなお手軽なものはすぐに手に入らない。

スーパーマーケットにスパイス類が豊富に取り揃えられているので、それらを駆使して味を調えた。

残念ながら、ちょっとクセがでてしまう。けど、それも手作りの醍醐味だろうと自己納得。

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包み終え、あとは揚げるだけ。

包むときに苦労は特になかった。

生地が薄すぎると破けるかも、と懸念していたけれども、存外に伸びてくれたので無事攻略。

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鉄のフライパンで揚げる。

油を1mm厚ほど敷き、中火で揚げていった。

最初は弱火の方がいいかと思ったが、タネにはすでに火が通っているので、生地を揚げることに専念。

綴じ目から揚げることで、中身が飛び出てこないようにフタをした。

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出来上がり。地ビールとともに。バルコニーにて。

餃子の味は、まあまあ。

初めてにしては上出来だと思う。

おふくろの味を再現することで、故郷をしみじみ回顧する...なんてね。笑

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今回、餃子の皮生地を作ったことで気付いたことがいくつかある。

① ものづくりは試行錯誤の連続である。

② 手作りは、作品の再現性が低い。

③ 工業製品も手作り品も、どちらも個人のオプションである。

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まず、ものづくりに終わりはないように思う。

終わりとはつまり「これでいい。もうこれ以上いいものはできない」という境地。

まだよくなる、このやり方は試していない、素材を変えてみては、などなど。

凝ろうと思えばどこまででも凝れてしまう。

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また、作品の出来に毎回若干のちがいがあるのも手作りの特徴。

その点では工業製品というのは再現性に極めて富んでいるし、なおかつ大量生産ができる。

日々の生活から余暇を創出するという意味で、工業化というものの価値は高い。

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他方で、工業化が行き過ぎているのが昨今の現状ではないだろうか。

とにかく安く大量に、が横行しているように思う。

素材は安ければいい、添加剤を整えてやればいい、とにかく作れ。

これが故に、長期的に考えると、工業化にのみ依存すると、さまざなリスクが出てくるような気がする。

とはいえ手作り100%は時間的にも厳しいものがあるし、素材の品質を考えれば、必ずしも手作り品で問題がないわけでもない。

つまるところ、オプションという考え方に落ち着くと思う。

ケースバイケースで、どちらかを選択する。

それぞれのメリットとデメリットを勘案して、みずからの判断で決める。

これがもっともシンプルではなかろうか。

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餃子の皮生地をつくりながら、そんなことを考えた。

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 - 以上